教室長挨拶

 古来より全ての生物は環境に適応することで繁栄してきました。「環境に適応した種だけが生き残ってきた」というのが正しい認識であるかもしれませんが、とはいえ変化に対応出来ない種は淘汰されてきたというのは事実です。

 現代社会もまた非常に変化が大きく、その変化に対応できない者はやはり「淘汰」されてしまうのかもしれません。特に現代日本は資本主義の競争社会ですので、自力で勝ち抜く術を身につけなければ社会は救ってくれません。この難しい時代を生き抜くために、子供たちに必要な能力は一体何でしょうか?

 それは決して「学力」等というものではありません。いくら「学力」があろうともそれだけでお金は稼げません。結局お金を稼げなければお腹を満たせず、生きていくことは出来ません。そんなことは今更語るまでも無いことで、大人であれば当然分かっていることなのですが、どうやら子供達の多くはその辺りを勘違いしているようです。

 学校や塾、家庭内でさえ、多くの場合子供たちが評価される基準は「テストの点数」です。テストの点数が悪ければ叱られ、良ければ褒められる。テストで〇〇点取ったらお小遣いが貰える=お金が稼げるという構図に慣れてしまっている子供も散見されます。そうして育った子供たちはテストで点数を取ることが絶対的な目標・目的となっており、いざ受験だ、模擬試験だ、となった時、点数が取れないとアイデンティティが保てずに落ち込み、やる気を失い、最悪の場合は諦めて投げ出してしまいます。

 統計を取った訳では無いですが、高校1年生ぐらいの子に「将来何がしたい?」と聞いても「分からない」という返事が大半です。受験間近の高3生ですらイマイチ定まっていない子が大勢います。テストの点数だけを追いかけて来た子は自分の将来像も固めないまま大学受験へと臨むわけです。私たち学習塾は、それでもテストの点数を上げる指導、いわば「点数至上主義」の指導を行い続けて良いのでしょうか?

 勿論、明確に夢が定まっている子であれば、志望校合格の為にひとまず目の前の点数を上げなければなりませんから、そのような姿勢の塾で問題は無いでしょう。一方で、おそらくは大半の「何も将来のことが分からない」「考えたことも無い」「親や先生に言われたことだけで生きている」という子供達には、「自分で考える力」を身につけさせるべきだと思っています。

 この、「自分で考える力」を身につける訓練として「勉強」ほど最適なものはありません。何せ、学校、家、塾などを通して、多くの生徒が人生を勉強に費やしている訳です。常に勉強のことを考えていると言ってもいいかもしれませんし、勉強ほど長時間何かに打ち込んだものは無いはずです。(いくらスポーツや音楽、絵画などが好きでも、小1~中3まで毎日9時~16時でやり続けていますか?)

 さらに言えば、受験を通して競争社会の一端に触れることで、戦略性や計画性、自主性など社会を生き抜くのに必要不可欠な能力を身につける足がかりとなるかもしれません。どうか子供達には、勉強を生きる目的にするのではなく、勉強を手段として活用することで人生をより豊かなものにしてもらいたいと願うばかりです。また、当塾がそのような思考・能力を身につける一助となれば幸いです。

​2021年11月26日